シンプルデザインが魅力のクラシックカードセット
もし、マウント・ラシュモアが1980年代に発売された最も有名な野球カードだとしても、マーク・マグワイアの1985年版 Topps Team USA カードも間違いなくその時代を象徴するひとつとして刻まれるだろう。しかし、1985年の Topps ベースボールセットが発売された当時、マグワイアは注目の「チェイスカード」とは見なされていなかった。前年に登場したカービー・パケット、ロジャー・クレメンス、ドワイト・グーデン、エリック・デイビスのルーキーたちが話題をさらい、1985年セットでは彼らのルーキーカードが中心だった。
さらに、ノーラン・ライアン、ピート・ローズ、ジョージ・ブレットといったベテラン選手や、ドン・マッティングリー、カル・リプケン・ジュニア、ウェイド・ボッグス、ダリル・ストロベリーといった若手スター選手が加わることで、1985年の Topps フラッグシップは、ジェネレーションX世代のコレクターにとって最もノスタルジックなセットのひとつとなっています。
マーク・マグワイアが輝く、シンプルな Topps デザイン
1980年代半ばは、コレクターにとって素晴らしい時代だったと同時に、ホビー業界全体が大きな盛り上がりを見せていた時期でもあったよ」と、長年のコレクターであるジョー・オーランド氏は語る。「その中で、このセットは、まさにその盛り上がりの中心にあったセットのひとつだった。」
Professional Sports Authenticatorの元会長であり、現在はヘリテージオークションズのスポーツオークション部門エグゼクティブ・バイスプレジデントを務めるオーランド氏は、1985年版 Topps セットのデザインを常に楽しんできたコレクターのひとり。
「もちろん、2025年や近年のカードに採用されている反射素材などの最新技術と比べると、とてもシンプルだ」とオーランド氏。「しかし、それこそがこのセットの魅力でもある。野球カードの製造の歴史を振り返ると、シンプルなデザインこそが、時にコレクターには最も魅力的に映るセットなんだ。」
1985年、まだオークランド・アスレチックスのマイナーリーグに所属していたマーク・マグワイアが、コレクターの注目を集めるようになったのは、1987年シーズン。当時のルーキー最多記録となる49本塁打を放ってからのことだ。彼のルーキーイヤーと、1998年の70本塁打という記録的シーズンが重なったことで、1985年版 Topps カードの価値は飛躍的に高まることになった。
「1987年シーズンの終盤、彼がルーキー本塁打記録を破ったとき、そのカードはなんと20ドルもの値が付いたことを覚えている」とオーランド氏。「1985年版 Topps が発売された当時は、5セントで買うことができたのにね。」
マグワイアの Team USA カード は、コレクターのラニー・リベス氏にとっても、1985年版 Topps の中で最も印象に残るカードだ。
「ルーキーカード、XRC(エクステンデッド・ルーキーカード)など呼び方はどうであれ、これは通常セットで Topps が初めて行った試みだった」とリベス氏。「マグワイアが収録されていたのは、数年間でこのセットだけ。当時はクレメンスやパケット、グーデンも有名選手だったが、正直言って、このセットを特別なものにしたのはマグワイアだった。」
1985年版 Topps 野球カードの豊富なサブセット
1985年版 Topps フラッグシップセットには、多くのサブセットやユニークなデザインが盛り込まれており、コレクターにとって非常に魅力的な内容だった。その中でも特に人気が高かったのが、1984年オリンピックのアメリカ代表 Team USA選手 のカード。マグワイアは、このサブセットで15人のチームメイトと共に収録され、オディビ・マクダウェル、ビル・スウィフト、シェーン・マックなどが含まれていた。
また、当時まだ大学野球をプレーしていた若きバリー・ラーキンもそのチームに所属していたが、アマチュア選手としての地位が危うくなる可能性があったため、Topps セットには収録されなかった。
1985年版 Topps セットは、まずノーラン・ライアン、ピート・ローズ、ドワイト・グーデンら10枚の「レコードブレイカー」カード から始まり、過去の全体1位指名選手を集めた「ファースト・ドラフト・ピック」サブセットもあり、ハロルド・ベインズやダリル・ストロベリーなどをフィーチャー。さらに、22枚のオールスターカードや、ヨギとデイル・ベラ、レイとボブ・ブーンといったメジャーリーガーの「父と息子」カードも13枚収録されている。
「親子のカードを実際に見たのは初めてだった。というのも、ある1970年代のセットでしか存在していなかったから」とリベス氏は語る。
1985年版 Topps セットの収集
COVID-19パンデミック初期の頃、リベス氏は1985年版 Toppsも含む1980年代に発売されたすべてのセットを完成させることを心に決めた。発売から35年経ったセットを手作業でまとめる作業は楽しかったようで、50歳のコレクターである彼自身も、若い頃は1985年版をあまり買っていなかったものの、今ではこのセットを心から愛していると言う。
「学んだことがあるとすれば、それは子どもの頃にほとんど無視していたセットに立ち返って、ちゃんと組み上げることの大切さだ」とリベス氏は語る。セットを作る過程で、1985年版には 2種類のワックスラッパーが存在したことも発見。一部は野球ボールの周りに「1985」のバナーが付いており、付いていないものもあった。
リベス氏にとって、1985年版 Topps セットの中で特にお気に入りなのは、グーデン、マグワイア、コーリー・スナイダーのTeam USA カードで、このセットには特別な思い入れがある。1986年、祖父がグーデンの1985年版 Topps カードをキャンバスに描き、孫であるリベス氏に贈ったのだ。
「ただ肖像画として描いてくれたんです。それが祖父が亡くなる前に描いた最後の作品のひとつだった」とリベス氏。「約2年前にグーデンがセントルイスに来たとき、その絵にサインをもらうことができたんだ。」








