なぜこの一枚が選ばれたのか
Topps NOWは、毎年決まった時期に発売される通常のカードセットとは異なる。試合で起きた出来事を、できる限り早く、そして正確にカードとして残すことを目的としたシリーズだ。
Topps NOWのブランドマネージャー、パット・オサリバンはこう語る。「シーズン中は7日間ずっと動き続けています。とんでもない瞬間もありますが、そういう瞬間こそがやりがいなんです」
Topps NOWはベースボールに限らず、NBA、プレミアリーグ、F1、そして国内ではプロ野球やJ リーグなど、さまざまなスポーツで展開されている。各年ごとにデザインがオフシーズンに刷新されるのも特徴だ。2023年のワールドベースボールクラシックは、その新デザインを初めて多くのコレクターに届ける舞台でもあった。
WBCセット制作において、オサリバンとシニア・グラフィックデザイナーのトム・リーガンが直面した課題のひとつが、MLB以外の選手をどう表現するかだった。「普段はなかなか見る機会のない選手も多い。でも彼らは間違いなく才能ある野球選手です」 リーガンはそう語る。

一方で、セット全体を象徴する1枚となったのが、大谷翔平とマイク・トラウトの対決を収めたカードだった。このカードは、ホームプレート後方から撮影された写真を使用している。
通常、カード写真は一塁線や三塁線付近からのものが多いが、このアングルは極めて珍しい。

「その写真を見た瞬間、すべてが写っていると感じました」オサリバンはそう振り返る。「だから、これしかないと思ったんです」
一瞬の判断、ひとつの視点。それらが重なり合い、2023年WBCを象徴する1枚は完成した。