
ポール・スキーンズがベースボールカードコレクション界に新風を巻き起こす理由
ポール・スキーンズは、野球界とコレクション界の両方で驚異的なスピードでスーパースターへの階段を駆け上がっています。今日は、剛腕投手である彼の23歳の誕生日を祝いつつ、ブレイクスルーとなった1年と、それを物語るカードたちを振り返ってみましょう。
2024年のナ・リーグ新人王に輝き、サイ・ヤング賞の投票でも3位に入ったスキーンズは、MLBデビューイヤーにして歴史的な活躍を見せ、2024年シーズンの大きな話題の一つとなりました。ここでは、その活躍ぶりをさらに詳しく見ていきましょう。
記憶に刻まれるデビュー
スキーンズは2024年5月11日にMLBデビューを果たしました。シカゴ・カブスを相手にしたこの日の先発登板は、シーズンを通して見ればベストな内容とは言えませんでしたが、重要なのはその“瞬間”でした。Toppsはこの記念すべきデビューを、MLBデビュー・ルーキーパッチ・オートグラフカードとして記録。このカードは瞬く間に注目を集め、近年まれに見る人気の“チェイスカード”となりました。

この熱狂は、スキーンズ所属のピッツバーグ・パイレーツがそのカードに対して前代未聞の“賞品”を用意したことで一気に加速しました。その内容は、今後30年間ホームプレート裏のシーズンチケット、スキーンズとのミート&グリート、サイン入りユニフォーム2枚、パイレーツ・シティのプライベートツアー、さらにPNCパークで30人規模のソフトボールゲームという豪華なもの。そして追い打ちをかけたのが、スキーンズの恋人であるオリビア・ダン。彼女はそのカードを引き当てた人に、スイート席で一緒に試合を観戦できるチャンスを提供すると発表し、そのオファーは瞬く間に拡散され、コレクション界を大きく揺るがしました。この“一生に一度”のカードをめぐる争奪戦に、火がついたのです。
そして物語はさらに衝撃的な展開を迎えます。なんとそのカードを引き当てたのは、ロサンゼルスに住む11歳の少年。しかもそれはクリスマス当日の出来事でした。彼と家族はそのカードをFanatics Collectでオークションに出品し、最終的に111万ドル(約1億7,000万円)という驚異的な価格で落札されたのです。
物語のクライマックスは、そのカードの落札者がDick’s Sporting Goodsであることが明かされたときに訪れました。5月、ピッツバーグのDick’s House of Sportでこのカードが正式に公開され、ファンやコレクターたちは「ホビー界最大級の一枚」を実際に目にすることができるようになりました。
スキーンズ & ボウマン
野球の有望株にありがちなように、スキーンズにおいても初期のBowmanカードは特に人気の高いアイテムとなっています。なかでも、2023 Bowman Draft Baseballに収録されたスキーンズの1st Bowmanは、躍動感あふれるアクションショットが特徴で、この製品の中でも最も注目されている1st Bowmanカードとなっています。

このカードの1-of-1スーパーフラクター・オートは、2024年9月に123,220ドルで落札されました。一方、そのオートグラフ版は現在、Fanatics Collectにて1,200ドルで販売されています。
いまや球界を代表するスターの一人となったスキーンズは、まさに“偉業が約束された男”でした。2023年のMLBドラフトで全体1位指名を受けた彼は、LSU(ルイジアナ州立大学)での最後のシーズンにおいて歴史的な活躍を見せ、シーズン奪三振数でSECの新記録を樹立。その実績が評価され、全米最優秀投手賞(National Pitcher of the Year)にも輝きました。
Toppsが捉えた輝かしいルーキーシーズン
ポール・スキーンズを巡る熱狂は、信じがたいほど大きく、そしてそれに十分値するものでした。彼の圧倒的なピッチングは誰の目にも明らかで、瞬く間に絶対に見逃せない選手の一人となったのです。
有名なルーキーデビュー・パッチ・オートカードに加え、Topps NOW® からはスキーンズのメジャー初登板を記念したカードも発売されました。その発行枚数はおよそ25,000枚に達し、コレクターたちが彼の才能に大きな期待を寄せていたことを物語っています。

ポール・スキーンズの登板は、すぐに“見逃せない試合”として注目を集めるようになりました。6月5日には、ファンやコレクターたちが待ち望んでいた対決が実現。スキーンズが「ホビー界の王」の一人、ロサンゼルス・ドジャースのスーパースター、大谷翔平と初めて対戦したのです。
当時、Toppsのブランドマネージャーであるパット・オサリバン氏は次のように語っています。
「この対決に向けた盛り上がりは、まさに“見逃せない一戦”という空気を作り出していました。スキーンズがかつて大谷のメジャーデビュー戦を観戦していて、彼のファンだったと知ったときは、さらに特別な意味を感じました。」

この対決は期待に違わぬ内容となり、両スターの実力が存分に発揮されました。大谷の第1打席では、スキーンズが3球連続で100マイルの速球を投げ込み、堂々の三振に仕留めました。しかし次の打席では、大谷が見事にリベンジ。センター方向へ豪快なホームランを放ち、球場を沸かせました。

シーズン中盤のオールスターゲームが近づく頃には、スキーンズはすでに球界屈指の投手としての地位を確立していました。彼は約30年ぶりにオールスターゲームで先発登板したルーキーとなり、これはMLB史上5人目の快挙でした。この記念すべき出来事を称え、Topps NOWは特別なカードをリリースしました。

シーズンが終了する頃には、ポール・スキーンズは野球史上屈指のルーキーシーズンを築き上げていました。わずか133イニングで170奪三振を記録し、11勝3敗、防御率1.96、WHIP 0.95という圧巻の成績をマーク。なかでも防御率1.96は、ライブボール時代において先発20試合以上を投げたルーキーの中で史上最も低い数字として記録に残りました。
スキーンズの新人王受賞を記念した Topps NOW カードは、発行枚数が約45,000枚に達し、彼の人気と注目度の高さを改めて証明しました。
さらに、5枚限定の直筆サイン入りパラレル版は、5月4日に1,750ドルで取引されました。
スキーンズのルーキーカードが大ブームに
予想通り、スキーンズの2024年ルーキーカードはコレクターたちの大きな注目を集めています。彼の2024 Topps Updateへの収録は当然の流れであり、これによってコレクターたちはパイレーツのエースである彼のルーキーカードをさまざまな形で楽しめるようになりました。
この2024 Topps Chrome Baseball Update Seriesのカードは、まるでスキーンズの速球のように、手元から勢いよく飛び出してくる一枚です。華やかで魅力的なデザインは、スキーンズがメジャー1年目に巻き起こしたホビー界の熱狂を少しでも映し出しているかのようです。

スキーンズのRadiating Rookiesカードも、彼のピッチングさながらにエレクトリックな魅力を放っています。4月には、このカードのPSA10グレードが660ドルで取引され、現在もFanatics Collectにて別のPSA10が568ドルで販売中です。

スキーンズ、第2章の幕開け
今シーズン(本記事執筆時点)、スキーンズは62イニングで62奪三振、防御率2.44、WHIP0.94という安定した成績を残しています。その活躍ぶりからも当然のように、2025年のTopps製品において最も多く取り上げられている選手の一人となっており、彼のカードにはToppsオールスター・ルーキーカップも含まれています。

ポール・スキーンズにとって、これまでの歩みはまさに嵐のようなスタートでした。そしてそれは、今後のキャリアが驚異的なものになることを予感させます。彼は、相手打者の前を速球が駆け抜けるのと同じスピードで、有望株から球界屈指のエースへと駆け上がりました。わずか2年前にドラフト指名されたばかりにもかかわらず、スキーンズは“現実離れした期待”に、まさに“現実離れしたデビュー”で応えてみせたのです。
そして今やスキーンズは、“必見”の存在として、ホビー界を代表するスーパースターの仲間入りを果たしています。
ポール、誕生日おめでとう!