
MLBマスコット・オートを集める
トム・ブッチ・ジュニアは、数十年もの間、手作業で野球カードのセットを集めたことがなかった。だが、2025 Topps Series 1 Celebration にマスコットのインサートセットがあると知ったとき、自分には集める運命があると感じたのだ。
このインサートにはすべてのMLBマスコットのベースカードが収録されており、さらに /99, /50, /25, /10, /5, そして 1/1 のナンバリング・パラレルが存在する。加えて、7つのマスコットがカードに直接サインしたスウォッチカードもある。ラインナップは、ボストン・レッドソックスの「ウォーリー・ザ・グリーンモンスター」、ミルウォーキー・ブルワーズの「バーニー・ザ・ブルワー」、コロラド・ロッキーズの「ディンガー」、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの「バクスター」、シンシナティ・レッズの「ミスター・レッド」と「ロージー・レッド」、そしてシカゴ・ホワイトソックスのマスコットだ。これら希少なパラレルは /10、/5、そして 1/1 Foilfractor が存在する。

”7種類しかないんだ。『これなら集められる』って思ったよ” とブッチは語る。”1-of-1を買うつもりはない。そんなお金は出さないってわかってた。でも、/5や/10の組み合わせなら、何とか集めたいと思ったんだ”
Toppsマスコットを追いかけて
Celebration が3月末にリリースされた直後、ブッチはオートセットを狙うことを決めた。ネットでナンバリング入りマスコットカードの検索を設定し、すぐにディンガーの /5 を手に入れた。その後間もなく、ウォーリー、バーニー、ホワイトソックスのマスコットを入手。すべて /10 だった。
“最初から4枚も手に入ったんだ。しかもかなり安くね” とブッチ。

残るはミスター・レッド、ロージー・レッド、バクスターの3枚。4月中旬、ブッチは2人の息子と一緒にフィラデルフィアで行われた Brotherly Love Card Show に足を運んだ。
会場を回って探したものの、成果はなし。だが友人が「隣のブースにロージー・レッドがある」と知らせてくれ、数分後にはそのカードがブッチの手に渡った。
“その時点まで、バクスターは一度も見かけたことがなかったんだ。『これは本当に難しくなってきたな』って思ったよ” とブッチ。実際、ユニークなカードを狙っているコレクターは他にも多く、オンライン出品もすぐに売れてしまった。

それから間もなく、オンラインでミスター・レッドの /5 を発見し購入。そして4月20日、ついにバクスターの /5 が出品され、ブッチは即座にゲットした。
“最初の数枚を手に入れた時は、1枚につき200〜300ドルくらいで揃うだろうと思ってたんだ。すぐにセットが完成すると思ってた。でも結局、ウォーリーが一番高くついたね。レッドソックスだからね。確か450ドルくらいかかったかな” とブッチ。
あっという間のコレクション完了
ブッチがプロジェクトを完了したのは、わずか3週間半後だった。
“このセットを持てるのは15人くらいしかいない。そう考えるとすごく特別だよ。レアなものを持っているのが嬉しいんだ。面白いだろ?” と語る。
18歳のウィリアムと14歳のマシューは、このセットを完成させるうえで大きな力になった。3人にとって楽しい”追いかけ”だった。息子たちもオンライン検索を設定し、マスコットカードが出たら父に知らせた。ゲットしたカードはリストにチェックを入れながら写真を撮影。ブッチは進捗をInstagramに投稿したいと考えていたが、息子たちは “全部揃うまで待った方がいい” とアドバイスした。
“わかるかい? これこそがホビーの醍醐味なんだよ” とブッチは言う。”ハイエンドな追いかけではあるけど、単なるベースカードのセットを作るのとは違う。子どもと一緒にやるべきなんだ。楽しむためであって、転売を気にするものじゃないんだよ”

この特別なセットを売るつもりは全くない。ブッチにとっては値段のつけられない宝物だ。7つのマスコット直筆オートにこれほど需要と熱狂がある中、将来さらに多くのMLBマスコットがToppsの商品に加わるのでは、と期待している。フィリーズファンの彼は特に、フィリー・ファナティックの 1/1 を手に入れたいと思っている。
”それが俺にとっての聖杯なんだ” とブッチ。”でも俺だけじゃないだろうね。あれこそ最高だと思う人はきっと大勢いるよ”
もしその日が来て、フィリー・ファナティックの直筆スウォッチカードが登場したら、ブッチからToppsにひとつだけリクエストがある。
“1-of-1は俺に送ってくれよ(笑)”