マルコ・ビジオが築き上げたグリフィーのコレクションに迫る
ケン・グリフィーJr.のカードを32年間にわたって集めてきたマルコ・ビジオJr.が成し遂げてきたことは、圧倒的だ。「The Kid(グリフィーの愛称)」のユニークカード数は16,932枚。
そして、総カード数は3万枚目前に迫っている。だが重要なのは、ビジオがどのグリフィーカードを持っているかではない。ビジオがまだ追い求めているグリフィーカードがどれなのかということだ。
「持っていないカードの写真を、年別・セット別に分けてスマホのフォルダに入れているんだ。それに、持っていない1-of-1カードすべての写真と、その現在の所有者、そしてどこにあるのかも控えている。僕のコレクションに大量のグリフィーがあるだけじゃなくて……もはや境界線上で“執着”に近いね」とビジオは語る。
生涯のプロジェクト
現在43歳のビジオは、ホビーを始めた初期はノーラン・ライアンのコレクターだった。しかし1993年、シアトルのケン・グリフィーJr.が、打席での純粋さと、守備での優雅さで、ビジオの収集家としてのイマジネーションを掴み取った。「僕も“Jr.”なんだ。それも理由の一つだった」とビジオは説明する。彼はグリフィーのサインを真似し、憧れの選手と同じように高校ではセンターを守っていた。
「ただ、グリフィーが最高にカッコいいと思ったから集め始めたんだ。それに、彼は帽子を後ろ向きにかぶっていたからね」

ビジオのグリフィーコレクションは、子どもの頃はゆっくりとしたスタートだった。15歳になった後、ネバダ州リノで家から歩いて行ける距離にあるカードショップで仕事を得た。「そこから本格的にコレクションが伸び始めたんだ」とビジオ。
「1996年から1998年にかけて、本当にパックを買い始めた頃だね。少しお金が入るようになって、誕生日にもらったお金を握りしめてカードショップに行っていた」
ビジオは1999年、グレッグ・マダックスのPrecious Metal Gemsカードを引き当てた。そしてすぐに、それをLCS(地元カードショップ)にトレードし、グリフィーのカードを手に入れた。その時すでに、彼はのめり込んでいた。
「2002年の終わり頃、買えなかったカードを集め始めたんだ。90年代には手が届かなかったカードたちさ。当時は学生だったし、ちゃんとした仕事がなかったから」とビジオは語る。オンラインでカードを購入できるようになり、グリフィーの大物カードを見つけるチャンスは一気に広がった。そして2018年までには、そのコレクションは真に巨大なものとなっていた。

「当時、これらのカードはめちゃくちゃ安かった。みんなゲームユーズドのカードを欲しがっていた。グリフィーはケガ続きで、ほとんど誰も集めていなくて、みんな彼のカードを放出していたんだ」とビジオは言う。
パンデミック直前、数人の有名なグリフィーコレクターがカードを手放し始めた。ビジオは自身のコレクションのために、いくつかの素晴らしいカードを手に入れることができた。
何千枚ものグリフィーカードたち
ビジオは、1人の選手のカードを16,932種類持っていることは「正直に言えば圧倒される」と話す。最近、半年かけて所有するすべてのグリフィーカードを整理し、写真を撮ったという。長年にわたって、ビジオは大好きな野球選手について膨大なリサーチを行ってきた。
「グリフィーのカードと90年代の野球について、知らないことはないよ」現在は、テキサス州ケイティに住むビジオ。「自分で笑っちゃうんだけど、役に立たない知識で頭がいっぱいなんだ。これが何か別のことに生かせたらいいのにね」

もちろん、グリフィーのキャリアの細部を知ることのほうがはるかに面白い。最近では、ビジオは自分のグリフィープロジェクトを、グリフィーの現役時代のカード、1987年から2010年までのカードを集めることに集中している。
「引退後のグリフィーカードは770枚しか持っていないけど、2010年以降に作られたカードはおそらく1万5千枚くらいある。僕の持っている16,932枚は、1987年から2010年までのものだ」
グリフィー探しは続く
1万7千枚近くのグリフィーカードを持っていても、ビジオはまだコレクションの穴を埋める大物カード探しの楽しみを味わっている。「マスターリストには、どの年のどのカードが足りないかを整理している」とビジオ。彼は自身のコレクションをInstagramアカウント @tolkientmntgriffey24 でもシェアして楽しんでいる。
「2000年代後半になると、カードが多すぎて少し複雑になる。例えば1996年は残り2枚。1997年は7枚だけ。2000年なら、存在する792枚のうち29枚だけが足りない、といった具合だ」

ビジオによると、1997年から2010年にかけて2,469枚の1-of-1グリフィーカードが製造された。彼はそのうち224枚、つまり約9.1%を所有している。コレクションの中で特にかっこいいのは、2007年のアレン&ギンターセットのプリンティングプレートだ。ビジオはまた、マリナーズ時代の1990年代のグリフィーカードの中でも最も希少な2枚を所有しており、いずれも1998年のTopps Stars製品から出たものだ。
「そのセットでは4種類のインサートがあったんだけど、グリフィーが入っているのはGalaxyとLuminariesの2種類だった」とビジオは言う。「パラレルも4種類があって、ブロンズ、シルバー、ゴールド、そしてゴールドレインボーだ。ゴールドレインボーは5シリのナンバリング」ビジオは、GalaxyとLuminariesの両方のゴールドレインボーを所有している。「Luminariesは、僕がこれまで見た中で唯一の1枚だ。Galaxyのゴールドレインボーは5枚中3枚を見たことがある」と説明する。

ビジオは、グリフィーの1998年ボウマンズ・ベスト・アトミック・フュージョン・リフラクターのカードや、同じく1998年のボウマンズ・ベスト・アトミック・リフラクターの未裁断シートも所有している。
「僕が欲しいのは、希少なものなんだ。誰も持っていないカードをね」ビジオのグリフィー探しは続く。

